
私らが厳重に守ってきたことは、自分の体で経験したことを、自分の頭で考えて組み立てていくということです。
ところが、最近は、そうでないのがいるようですな。
はっきり言えば、人の真似をするのがいる。
他人の文章の盗作やないか、ということが平然と行なわれている。
そんな恥ずかしいことがどうしてできるのか。
私のようなフィールドワーク派には、昔から書斎派、文献派からの批判がありました。
大学で「あいつらは足で学問しようとしているが、学問は頭でするもんや」という人もいました。
頭を使うとは「本を読むことや」と言うんですが、それはおかしい。
本は誰かが考えたことでしょ。
なぜ、自分の頭で事実から組み立てようとしないのか。
IBMというブランドを買収したレノボは、どのようにビジネスを展開していくのかが、世界中で注目されていました。
日本の顧客は特に心配していたようですね。
顧客の間には明らかに「本当に大丈夫なのか」と(購入に)及び腰になる傾向がありました。
しかし、最近は顧客から「もう手控えの時期は終わった」と言われるようになりました。
レノボ製品は質もサービスも高いという認識を持ってもらえるようになってきたからだと思っています。
機は熟したと考えて、まず大企業向けでIBMのロゴを外しました。
IBMではなくて、レノボのシンクパッドであるというイメージを高めるためです。
中小企業向けでも地域によりますが、IBMのロゴを外しています。
シンクパッドのロゴはずっと使えるので残しています。
2007年度にも成長できず、利益が悪化した場合は信頼を失ってしまいます。
これはチャレンジですよ。
日産が持続可能な成長を果たす能力があるということを立証するときだと思います。
これからの成長のエンジンをどういう形で作っていくかということは、社員も期待しています。
期待しているものは常に変わるものです。
当初の期待を達成すれば、すぐに次の期待が出てきます。
常に期待に合わせなければなりません。
だからトップでいることは難しいのです。
常に適応していくことができなければ、誰かにトップを任せる必要があります。
CEOの価値というのは業績で決まるんです。
最終的に人は言ったことではなくて、やったことに目を向けるのです。
2007年度は2006年度より確実に良くなります。
その業績を皆さんが精査するでしょう。
日本市場については厳しい状況が続き、他社も含め、みんな苦労すると思います。
しかし、グローバルの全体像を見てください。
グローバルの販売台数と利益が重要です。
私には自信があります。
会社組織で一番強いのは、価値観が一致していることだと思います。
どんなに崇高な理念があっても、多くの会社ではそれを教え込もうとしていませんよね。
社員全員が体得するためには標準化のためのマニュアルと仕組みがあり、その理論を基に継続して実践することが必要です。
私は個性は尊重すべきだとは思いますが、価値観が極端に合わない人は、その組織にはいない方がいいだろうと思います。
アップル時代は、忍耐でした。
IT(情報技術)企業では、「俺は賢い」という奴の集団でないとエネルギーが出ません。
それをまとめるわけですから、やっぱり忍耐でしょう。
マクドナルドでは寛容でした。
みんなを容認して、とにかく気持ちが動くように持っていく。
正論だけでは、誰も動きませんでしたから。
自分がどう振る舞ったら、人がどう動くのかを考え続けました。
いくら正論であっても、人は命令されて動かされるとすごく疲れます。
自分で考えて動く分には、疲れないでしょう。
そういう環境を整えないといけません。
私が示した方向に反発があれば、それは切り離す決断も必要です。
ただ、そればっかりでは強制になってしまう。
そこのバランスを考えて経営していたのが、この3年間の心境ですかね。